新品複合機(コピー機)には、セキュリティ機能も非常に充実してします。複合機(コピー機)が高機能化すると同時に、ネットワークへの接続が当たり前となりインターネット回線を通じた情報漏洩リスクや外部からの攻撃のリスクが高まるので、守りを強化する必要があるからです。
また、従来から存在する紙媒体での情報漏洩(不注意によるミスや悪意のある情報の持ち出し)のリスクに対する強化も重要なポイントです。
今回の記事では、新品複合機のセキュリティ機能について紹介します。
目次
- 1、 複合機(コピー機)の外部からの攻撃に対するセキュリティ
- ① ネットワークからの不正アクセス対策
- ② 電話回線からの不正アクセス対策
- ③ 記憶媒体からの情報漏洩対策
- 2、 オフィス内部からの流出に対するセキュリティ
- ① 人的ミス防止
- ② 紙媒体からの流出防止
- 3、まとめ
1、 複合機(コピー機)の外部からの攻撃に対するセキュリティ
複合機は、機密情報や重要な顧客データなどを管理していますので、外部からの攻撃によってデータが流出したり破損したりしてしまった場合には大きな損失が生じてしまいます。そして、重要性が高いからこそ、ウイルスや悪意のあるアクセスなど外部からの攻撃も高機能化しているのが現状です。
最新の新品複合機の機能や、ソフトウェアの機能を組み合わせて、万全の体制を整えましょう。
① ネットワークからの不正アクセス対策
ネットワークを利用した外部からの攻撃に関しては、どこからいつネットワークにアクセスがあったかを明らかにし、不審なアクセスを排除したり、不明なソフトをシャットアウトしたりすることで複合機(コピー機)の安全性を高められます。
具体的には以下の方法が取られます。
- IPアドレスのフィルタリング機能/ネットワークプロトコルのON・OFF
- ジョブログ・アクセスログ管理機能
- ファームウェアの正当性確認
- その他、ネットワーク機器の併用によって安全性をさらに高める
アクセス可能なIPアドレスをあらかじめ指定することにより、外部からのネットワークへの接続をシャットアウトできます。IPアドレスは、インターネット機器ごとに割り当てられたネットワークの住所のようなものなので、社内(あるいは許可した部署のみ)のIPアドレスのみをアクセス可能として設定しておけば、社外からのアクセスを防ぐことができます。
ネットワークプロトコルとは、ネットワークを使用する際の通信手段のことをいいます。業務で使用しないプロトコルを制限することにより、外部からのアクセスのリスクを減らすことができます。
新品複合機では、誰がいつアクセスしたか、外部のどのアドレスからいつネットワークにアクセスがあり、どのような作業を行ったかというログを管理できます。
複合機にエラーや異変が生じた際に、遡って原因を特定することができます。
新品複合機がソフトウェアを実行しようとするときに、ソフトの正当性を複合機が判断し、安全性を強化しています。
ネットワーク攻撃やウイルスは日々進化していますし、攻撃されたときの侵害は莫大なものになりえます。新品複合機を導入しセキュリティを高めておくことは重要ですが、同時にファイアーウォールやセキュリティ対策ソフトなどを利用することで万全の体制を整えましょう。
② 電話回線からの不正アクセス対策
電話回線を通じて、内部データにアクセスが試みられる場合もあります。
2018年8月にも電話回線からローカルネットワークに侵入する攻撃Faxploitの仕組みが公開されましたが、最悪の場合、FAX番号だけで複合機が乗っ取られてしまう可能性があります。
対応するには、これらの対策を高めている新品複合機を導入すること、最新のネットワーク事情を調べ必要に応じてセキュリティソフトを導入することが重要です。
③ 記憶媒体からの情報漏洩対策
メモリーカードを始めとした記憶媒体を介して、複合機が攻撃を受ける場合もあります。
これらの攻撃を防ぐために、最新の新品複合機では電話帳データや機器内部に保存されているデータを暗号化することで感染リスクを抑えています。
リスクをさらに抑えるには、PCでのウイルスチェックを併用していくことが重要です。
2、オフィス内部からの流出に対するセキュリティ
外部からの攻撃を防ぐこと以上に注意したいのが、内部からの情報流出です。
重大な情報漏洩の半分以上は、オフィスの内部から起こっており、新品複合機の導入によりそのリスクを少しでも軽減することで大事なデータを守ることができます。
① 人的ミス防止
情報を管理する際に、どんなに注意しても起こってしまうのが人的ミスです。最も典型的なものは、FAXの送信先の誤りや、FAX送信時に別の重要な書類を一緒に送信してしまう、というケースです。
新品複合機の機能では、あて先の強制確認機能やFAXの見てから送信(送信する紙面のデータをあらかじめ複合機のモニターで確認してから送信する機能)などが搭載されています。アクセスログや認証カード機能を併用して、さらに安全性を高めていきましょう。
② 紙媒体からの流出防止
紙媒体からの漏洩も少なくありません。例えば、重要な書類をプリントアウトした際に、他の印刷物に紛れて他のスタッフの手に渡ってしまったり、悪意をもった第三者に持ち去られてしまったりするケースです。
これらの防止には、セキュリティ印刷機能が便利です。印刷物にパスワードを設定しておき、出力する際には複合機のモニターにパスワード入力を必須としておく機能です。この機能を利用すると、本人が複合機の目の前にいるときに、貴重な印刷物をプリントアウトできます。
3、まとめ
最新の新品複合機(コピー機)のセキュリティ機能について紹介しました。
最新機能としては、外部からのアクセスを防ぐために通信経路や手段を制限するもの、内部からの流出を防ぐために複合機利用時に一つひとつ確認を行うようにするものがあります。
外部からの攻撃は日々進化していますので、新品複合機を導入すると同時にウイルス対策ソフトやスタッフへの教育など万全の体制を整えることが重要です。内部からの流出については、一つひとつの作業に対して徹底した確認作業と、誰がいつ複合機を利用したかを遡って確認できる機能が重要です。